モラハラ・DVについて
DV(ドメスティックバイオレンス、家庭内暴力)とは?
家庭内暴力(DV,ドメスティックバイオレンス)とは一般的に、
家族内で行われる、夫や妻に対しての暴力(虐待)をさします。
身体的暴行や性的な暴力やレイプのほか、暴言やストーキング行為など精神的にストレスをかけることも含まれます。
またDVは、恋愛関係にあるカップル間にも存在します。
家族内という閉じた人間関係の中で行われるため、家庭内暴力は外部からは極めてわかりづらく、犯罪として発覚することは極めて少なくなっています。
DVによる離婚について
① DVを原因とする離婚は、一般に当事者間での話し合い・協議による離婚が難しいです。
離婚を切り出す方も、どのように切り出してよいか非常に神経質になります。そもそも、離婚を切り出した後の相手の反応が不安で言い出せないこともあるでしょう。また、話し合いをしようとしても、相手から大声で怒鳴られたり、それこそ更なる暴力を受けたりし、全く話し合いにならないケースもよく見受けられます。
このようなDVを原因とする離婚の場合、協議が進まないことが多いため、早めに離婚調停の申立てることも1つの方法です。家庭裁判所を間に挟むことで、相手も冷静に対処せざるを得ず、話し合いの前進が期待できるのです。
② 離婚調停の場合の注意点ですが、相手に秘匿したい情報を漏らさないように気をつける必要があります。
DVの場合、相手と別居して、その別居先の住所を知られたく場合が多いでしょう。その場合には、申立書の住所欄には現在の居所ではなく、前の住所を記載するなどの工夫が必要です。
また、その他知られたくない情報が記載された証拠物については、必要箇所をマスキング(秘匿箇所を黒塗りや付箋を貼ってコピー)して提出するなどの処置をとりましょう。
また、DVが酷いケースの場合は、開始時間・終了時間をずらして欲しいなどの要望を、裁判所に申出しておきましょう。この点、家庭裁判所に予め申出しておけば、裁判所も配慮してくれます。
③ DVを原因として、離婚を請求した場合、相手はDVの事実を認めるでしょうか?
DVが刑事事件となって動かぬ証拠となれば、相手も認めざるを得ないでしょう。
しかし、多くの場合、相手は裁判ではDVの事実を否定してきます。あるいは手を挙げたことは認めたとしても,「自分の身を守るため」という風に正当化してくることもあります。
このような場合は、証拠によってDVの事実を証明していく他ありません。
したがって、例えばDVによって怪我をした場合には「医療機関の診断書」や「怪我の写真」などを取得・保管しておく必要があります。
また、警察に相談した場合には、相談関係の記録を警察から取り寄せることができますので、それを証拠として使うこともあります。また、メールや録音、普段つけている日記、第三者の証言なども証拠として使える場合があります。
しかし、いずれにせよ、いざ裁判となったときに使える証拠を残しておくという意識がなければ、上記のものを残すことができません。DV被害者としては、相手はDV事実を否認してくることを前提に、証拠を残す必要があります。
たとえ現時点においては、離婚や裁判までは考えていないという方でも、暴力被害に遭った際には,とりあえず写真の保存と医療機関を受診しておくことをお勧めします。診断書があれば、少なくとも「いつ、どの程度のケガをしたのか」という事実が証明できます。
また、写真や診断書などの証拠は、後で述べる「保護命令」を裁判所に申し立てる上でも重要になります。
DV離婚で弁護士ができること
DV被害者が離婚しようと決心した場合、一人で全て行動するのは大変困難です。そのため、弁護士と協力して案件を進めた方が良いでしょう。
ただし、弁護士のなかでも、DV案件は避けている方も少なからずいますし、経験値に差があるところです。当事務所では、これまでDV案件にも積極的に取り組んできましたので、安心してご相談下さい。
また、DVで訴えられたけど、事実と異なる、あるいは大げさに事実が記載されているなどの言い分がある方についての相談を承っております。
一人で悩まずに、まずご相談してください。一人で解決できないこともあるのです。